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2007年5月14日 (月)

vol.21 ホンモノを求めてはいけない

 才能と人間性は別物であるという事が解っただろうか。才能が有るから素晴らしい人だと決めつけてはいけない。欺されてはいけない。
 だが、才能と人間性が一致すればどうだろう。心・技・体がそろって素晴らしければ、これはホンモノである。
 此のホンモノ中のホンモノは結構沢山居る。路傍の石の如く、ゴロゴロと貴方の身近に居る。沢山居るが誰がホンモノか見つける事が出来ない人が多い。
 見る目が無ければ見つける事は出来ない。自我欲、自己中心の曇った汚れた目には、目の前にホンモノがいても判らない。ホンモノであればある程、見極めるのが難しい事も事実である。
 ホンモノであればある程目立たない本質を持っている。ホンモノは質素である。
 ホンモノに飾りはなく、限りなく無に近い。ホンモノであればある程、只の人なのである。
 ホンモノを求める人は、その求める事自体ニセモノである。求めれば求める程、ホンモノが分からなくなる。目の前に居ても分からない。もし分かったとしたら逃げ出して了うだろう。求めていた曲に逃げ出して了うだろう。自分が恥ずかしくて、自分にはホンモノになる資格は無いと逃げ出して了う。
 ホンモノはホンモノを求めない。ホンモノだから求める必要がない。ホンモノは誰をも愛する。誰をも差別しないから殊更にホンモノを求めない。ホンモノは何も求めない。
 ホンモノは与える事のみ考え、実行する。叉はそうしようと日々努力している人がホンモノなのである。何時も人が先で、自分が後の人である。人の喜びを自分の悦びとし、人の悲しみを自分の哀しみと出来る人である。
 自己顕示欲の強い人は到底ホンモノにはなれない。有名になりたい人、贅沢をしたい人、人の物を奪ってでも欲しがる人……こういう人はホンモノとは縁遠い。自分の物を人に与えたり譲る位なら死んだ方が良いという様な輩は生きながら死んでいる。その自己愛、自我欲の塊は人を傷つけ、不幸にする。害人である。
 ホンモノを求めてはいけない。自分がホンモノにならねばならぬ。ホンモノを見つけても自分がホンモノになれる訳ではない。ホンモノの本質をしっかり見極め、自我を少しずつ少なくしていく訓練を、日々怠らず実践していく事しか方法は無い。それがホンモノへの道、唯一の人間修業なのである。一つ一つ捨ててゆく事の難しさ……ホンモノは自分の裡にある。  貴方に出来るかな――つづく。

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