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2009年6月 5日 (金)

隆明の小言・戯言・独言(こごと・ざれごと・ひとりごと)

3. 離れ小島と火は人を酒飲みにする?
 私は酒が好きだ、無茶苦茶好きだな。法律ではとっくに時効だから吐くが、実は十五才の頃、夏だったな――。
 高一の私はブラスバンド部に入り、ラッパを吹いていたが、夏休みの特訓で或る小さな島に合宿した。初日は真面目に練習に励み、全員クタクタになり爆睡した。
 二日目は早朝から起こされ、大特訓である。扨、夜になると皆で拵えた夕食を摂り、綺麗な星を眺め乍ら、夫々他愛もない事を喋って寛いでいた。
 突然、キャプテンが「おい皆、キャンプファイヤーをするぞー、木を拾って来い!」と叫んだ。
 一年生が待ってましたと四方に散り、二年生は買い出しに、三年生は場所設定と役目分担。瞬く間に用意が出来、火を焚き、火の囲りに円陣が出来た。
 火を囲むというのは実に良い。一人一人の顔が闇の中にくっきり浮かぶ。凄い連帯感が生まれる。すると、抜けていた二年生が三人何やら運んで来る。
 二十四本入りのビールケースを二つと、トリスウイスキー三本、部員が二十四人だから、ビール一人二本とウイスキーを何杯か飲める勘定だ。早速、ポンポン栓が飛び宴会が始まった。全員飲んだと思いきや、二年生のくそ真面目さんが、一人怒ってソッポを向いている。放っとけ放っとけと、賑やかにカンパイ。
 こういう開放的になれたのは、本土から離れた、島という治外法権の気安さと、仲間の連帯感、アルコールへの好奇心等が相まっての事だろう。
 殆どの部員は嗜む事はあっても真面目に飲むのは始めてらしい。私も同じだが飲んでみたら、何と旨い!他の連中も「旨い!」と吠える。ゴクゴクとビールを呷り乍ら唄は飛び出す、踊り出すで――夜は更けていく。
 一番調子に乗ったのは一年生の私、キャプテンに纏(まつ)わり付いて図々しい事許り言ったらしいが、キャプテンはニコニコ笑って「お前強いなー、もっと飲め」とウイスキーをコップに注いでくれたらしい。ビールを私一人で四、五本飲んだらしい。どうやらその辺までしか記憶にない。ウイスキーを飲んだ覚えがない。後で聞くと一人で一本丸々、しかもストレートで飲んでいたらしい。
 翌日、正后前にテントの中で私は目が醒めた。大の字になって寝ていた。
 むっくりと起きると、三年の先輩と二年の先輩が私の脇でうつ伏せになって眠っている。何だ、これは?   次回につづきます。

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