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2009年9月 7日 (月)

隆明の小言・戯言・独言(こごと・ざれごと・ひとりごと)

7. 酒は自分の世界にない世界に出合わせる

 見知らぬ酒場、初めての店に一人で入る時は、余程遊び馴れていない限り、相当勇気が要るものだ。知合いが一人も居ない場所というものは心細いものである。
 然し、何も取って食われる訳ではない。どんな人間が居るか分からない。とても面白い、とても楽しい、とても暖かい人達が居る店と期待して、思い切って飛び込んで見よう。意に反して雰囲気の悪い店だったら何うするか。しまった!と思っても即「間違えました」とか「又、来ます」と出て来る訳にはいかない。失礼である。入って了った限り、兎に角、空いてる席に陣を取る。この陣の取り方が後に大きく影響する。
 席は、空いていればだが成可く隅が良い。カウンターの隅が良い。入口であろうが奥であろうが隅が良い。片方には誰もいないから、挟まれて右に左に前に後にとキョロキョロする必要がなく、又、誰からも見て貰える。何か喋ると全員に注目して貰える。
 又、誰が喋っても、その人の顔を見る事が出来、目を合わせる事が出来る。
 誰も居ない壁側に片肘を突いて、体を斜めに構えれば、店内を一望出来るのである。人の御喋りを熱心に聞けるし、それに反応出来る。喋ってる人は此方の反応に熱が入る。人は一生懸命聴いて呉れると嬉しいものだ。
 頷いたり、相槌を打ったりが、やがて自分の意見や感想を同調の形で間に挟む。
 すると、他の人も加わって話が盛り上がって行き、とても楽しい宴となる。早い場合は五分で打解け、三十分もすれば十年の常連の様に馴染めるものだ。
 そんなに上手くいく訳がない、と思う人がいるだろう。そう思う人は、そうだ。上手くいかない。人が怖い人は上手くいかない。その怖さが相手にも伝わるからである。
 御喋りが上手かろうが下手であろうが、人が好きであれば時間に個人差は有っても、やがて雰囲気に馴れ、誰とでも仲良くなれるものだ。
 御喋り下手は聞き上手になれば良い。喋ってる人を良く見、聞き、その反応を表情で示して上げれば、相手は喜んで益々熱が入る。好かれる、友になれる。
 利害関係の直接無い出逢いは、そのコミュニケーションに依って新しい発見をする。自分の世界にない世界に驚く。何時も同じものに固執していた頭が柔らかくなり、一寸した言葉にもアンテナがキャッチし、そのヒントは翌日の生活や仕事、考え方に、大きく影響して行く事になる。  つづく。

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