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2009年9月14日 (月)

隆明の小言・戯言・独言(こごと・ざれごと・ひとりごと)

10. 酒はその人の正体を浮き出させる
 酒は薬にもなれば毒にもなる、という微妙な代物である。
 酒は飲む人飲み方に依って、善にも悪にもなる厄介な代物でもある。
 酒は飲む人を映し出す、リトマス試験紙の様なものである。
 酒は上手く付き合えば、その人を天国に導き、下手に付き合えば地獄に誘う。
 酒は酒そのものに罪はなく、徳もない。

 酒は飲む人の体質や性格に依って、同じ量を飲んでも酔い方が違う。同じ物、同じ度数でも酔う深さが違う。百人百態、似ていても微妙に違う。
 酒はその人を早く浮き出させる。昼間の付き合い百回で解る正体が、ホンの数回で見えて来る。
 酒は形を変えたウソ発見機の様なものである。
 酒は人から緊張感や警戒心を柔らげる力を持っている。亦、逆に憎悪を増幅させたり、疑念を深めさせたりする魔力も持っている。良き方に向かうか悪しき方に向かうかは、その人その人そのものに懸(か)かっている。 
 酒との関わりは千差万別、環境が大いに影響する。
 幼い頃に父親が酔っ払って帰って来ては暴れ、家族を震え上がらせるという被害に遭った人は、親を恨むと同時に酒をも憎む。
 街で酔っ払いの喧嘩を見て、その醜い姿に嫌悪感を抱く、という様な経験をした子は酒を忌み嫌い、一生酒飲みにならないと決心しても、不思議ではない。そういう人に酒を飲ませるのは難しい。良い酒、酒の利点を教えるのは至難の技である。
「酒は悪いものである」と頭の中で固まっている人を柔かくするのは並大抵ではない。心閉ざして引籠っている子の心を開き、外に導くに等しい。口先の説得やテクニックで叶うものではない。強力なパワー、深い愛がなければ出来るものではない。
 何も無理に酒を飲ます事はない。そんな事をして飲ませ、酒癖の悪い人間になったらどうするんだ、と思う人が多いだろう。尤もである。
 決して父親の様にはなるまい、と思っていたのに、成人して父親と同じ事をして了う人も多い。歴史が繰り返されるというか、遺伝ともとれる悪循環、何という因果……
 この因果を断ち切る為にも、大きなパワーが必要である。 つづく。

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