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2010年1月16日 (土)

肝っ玉姐さんの湯の町騒動記 5

5. ピンポン玉の様な切り返し……

「草津の秋は良いねー。どの山も紅葉が真紅で美事だ」と、私。
「そうですねー。紅葉も見頃ですが、千春ちゃんも見頃でしょう」と、勇さん。
「アハハハ。紅葉は見る丈だが、アタシャ見頃で食べ頃だいね」と、ママさん。
「アレアレ。ママさん、食べられるの?」と、私。
「何云ってんだい、こんな旨いもの滅多にねえよ」
「じゃ、食(しょく)して良いかな?」
「いいよ、食して呉れるかい?」
「食す食す」
「チイと高いが、いいかい?」
「アレ? 無料(ただ)じゃないの?」
「当り前さね。ここ迄手塩に掛けたんだ。安かーねえぞ」
「うーむ。如何程(いかほど)かな?」
「そうさね。蔵の三つも持って来りゃ、何とかなるさね」
「蔵が無きゃ、どうすれば良いの?」
「そうだね。蔵が無いなら、見る丈で我慢するんだね。アハハハ」
「見る丈で我慢出来なかったら?」と、勇さん。
「カアチャン抱いて、我慢するんだね。無料(ただ)で済むし、家庭は円満、万才万才だ。アハハハハ」一本取られた。

 飲むに従(つ)れ、会話はどんどん弾む。兎に角、この千春ママさん、どう会話の内容を変えようが、どう突つこうが、ぼんぼん切り返して来る。ピンポン玉の様である。打てば直ぐ打ち返す。強打には強打、捻(ひね)り球には捻り球、スロー球にはスロー球と、何でも小気味良く返って来る。
 私は、日頃、水商売の猛者(もさ)と、連戦連磨しているから鍛えられている。私に掛かったら、どんな猛者でも困らせて了うと自負していたが、此のママさんには此方(こっち)がたじたじ。延々と衰えを見せない。
 一体、どんな頭をしてるんだと首を捻って了う程、頭が良い。キレる。
                      つづく。

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