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2011年5月24日 (火)

隆明の時事考現 21

21. 思い知る時がやって来た

 人間は恐ろしい物を造って了った。造ってはいけない物を造って了った。その怖ろしさは想像出来ても、出来て了ったものは試したくなる。試さずには居られなくなる。そして、必ずそれは実行される。人類の不幸は其処から始まる。破滅に到る迄、歯止めが利かなくなる。
 原子力は人間が扱うものではない。扱えるものではない。扱ってはならぬものである。「取り返しの付かない事をして了った……」と、その威力に、大罪を犯した事に気付いたアインシュタインは絶句した。
「戦争を終わらせる為に」と云う、余りにも浅薄(あさはか)な、余りにも理不尽な、余りにも非人間的な行為をして了った国……。
 確かに広島と長崎に投下された爆弾に依って、我が国は降伏し戦争は終わった。降伏しなければ次から次と落とされ、此の国は地球上から、その存在すら消滅していただろう。日本の降伏に依って、世界は救われた。一時的とは云え、日本の降伏は戦争の歯止めとなった。
 だが、これがもっと恐ろしい戦争へと向かう事になるのだ。今、その人類破滅という恐ろしい事態に、着々と進んでいるのである。
 人は皆、自分の身に実際に起きない限り、危険を察知しない。鈍感なのである。そして、ひと度自分の身に起きた時、慌(あわ)てふためき、狼狽(うろた)え、泣き喚き、我を亡くす…。独り善がりの、自分さえ良ければという生き方、自己中心の生き方が戦争を惹(ひ)き起こす。
 我が国が良ければ他の国はどうでも良いのか。
 我が国を栄えさせる為には、他国の人を何人殺しても良いのか。
 他国を全滅させてまで、我が国を栄えさせたいのか!

 原爆は絶対に造ってはならなかった。そんなものを造れば対立国も負けじと造る。滅ぼされまいと世界のあちこちで原爆だらけになる。
 狂気に刃物。窮鼠猫を噛む。人間に、国に原爆を持たせてはならない……手遅れではあるが。
 原発に利用した原子力は、人間に利便と富を齎(もたら)した。
 使い用(みち)に依っては人を幸福にするという安易な考えが、どんなに怖ろしいものか……思い知る時がやって来た。   

                                                  つづく。 

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